知人の会社に売却したい

知り合いの会社を買収したいと思った時は、たとえどんなに親しい間柄であったとしても、相手に直接「あなたの会社を売って欲しい」と話を切り出すことは避けたほうが賢明です。
互いに対等な立場で「手を組む」という場合であれば良いですが、自分の会社の傘下に入れるような提案の場合は、打診の仕方次第では相手の感情を逆なでし、敵対心をもたれる危険性が高いです。

そこでここでは、知人の会社を買収したい場合は、どのような手順でアプローチするのがベストなのかを説明します。

経営者自らがアプローチせず、仲介会社を利用しよう

買収提案というのは感情的な対立を招き、今まで築いてきた信頼関係を壊してしまう恐れがあります。そのため、当事者同士で直接交渉をすることは避けたほうが良いケースが多いです。
一方、経営難に陥っている企業が救済措置として買収されることを期待しているような場合は例外となります。このような場合は当事者同士が直接やり取りをしても、十分な信頼関係が築けていれば、問題なく進むこともあります。
しかし、そのような場合以外は、第三者である仲介機関を挟んでアプローチしていくことをおすすめします。

仲介会社を利用した場合の知人の会社への打診方法

M&Aの打診では、出来るだけ客観的な立場から話を持っていく必要があります。しかし、だからといってまったく面識のない人間から「あなたの会社を売ってくれませんか?」と、話を持ちかけられたとしても不信感を抱かれるだけです。
このような事態を避け、一方で、相手企業には信憑性のある話だと思ってもらうことも必要です。そのため、仲介機関は次に紹介するようなアプローチ方法で、提案を行っていく必要があります。

メインバンク・アプローチ

入口の段階で対象となる企業のメインバンクの信用力を借りるアプローチ法です。

STEP
1

M&A仲介会社が対象企業のメインバンクに対して買い手企業の意向を伝える。

STEP
2

M&A仲介会社がメインバンクと同行するかメインバンクを通して、対象となる会社に出向いて買収の提案をする(買い手企業の名前は伏せておく)。

STEP
3

対象となる企業に売却する意思を確認する。
相手企業が具体的な話を望んだ場合は、秘密保持契約を締結して買い手企業の名前を公表する。

STEP
4

対象となる企業が買い手企業の名前を聞いたうえで問題がなければ、より具体的な条件を提示する。

このメインバンク・アプローチでのメインバンクの役割は、あくまでも仲介役として入ってもらうだけのものです。もちろんメインバンクから売り手企業の情報を得ることはできません。またメインバンクが協力してくれることが前提条件となるのでM&A仲介会社とメインバンクとの信頼関係が重要なポイントとなります。

ダイレクト・アプローチ

もしメインバンクが協力してくれない場合は、次のようなステップで仲介会社が直接アプローチすることになります。

STEP
1

買収対象の経営者宛てにM&A仲介会社から信書郵送し、具体的な買収提案があることを伝える。

STEP
2

M&A仲介会社が対象となる企業の経営者に電話でアポをとる。

STEP
3

買収対象企業の経営者とM&A仲介会社が面談をして買い手企業の意思を伝える(買い手企業の名前は伏せておく)。

STEP
4

買収対象の企業が会社を売却する意思や可能性があるか確認する。
相手企業が具体的な話を望んだ場合は、秘密保持契約を締結して買い手企業の名前を公表する。

STEP
4

買収対象の企業が買い手企業の名前を聞いたうえで問題なければより具体的な条件を提示する。

信書の郵送からステップを踏むという流れですが、仲介会社によってはいきなり電話したり、アポなしで訪問をするようなケースもあります。もちろん買収を対象とする企業の経営者と直接話をすることが大前提になります。このポイントをクリアーするにはM&A仲介会社の知名度や信用度といったブランド力も大きく影響します。

仲介会社を利用するメリット

あなたが知り合いの会社に直接買収の提案せずに、M&A仲介会社を通じて打診する最大のメリットは、名前を伏せて相手の意思確認ができるという点です。
もしもあなたが知り合いの経営者に直接打診して断られてしまった場合、お互いに気まずくなり信頼関係まで壊れてしまいます。
そのような事態を避けるためにも、仲介会社を利用し、相手方と円滑に交渉を行えるようアプローチしていく必要があります。