中小企業のM&A

新聞などのメディアでは連日のように企業のM&A関連のニュースが取り上げられています。マスコミが好んで取り上げるのは、そのほとんどが大企業によるもので、中小企業の経営者には、M&Aはあまり関係ないというイメージを持たれている方が多いのではないでしょうか。

しかし、公開されているデータを見るとM&A件数の7割以上は非上場企業絡みのもので、非公開の案件を含めるとM&Aの8割から9割が非上場企業によるものだと言われています。

このように、中小企業のM&Aは活発に行われています。
さらに現在では政府の規制緩和政策などの後押しもあって、ますますニーズが高まり、年々案件数が増加しています。
それでは、中小企業においてM&Aはどのように行われているのでしょうか。中小企業によるM&Aの実態を整理してみましょう。

後継者不在の解決策としてのM&A

2025年には、245万人の経営者が70歳超えに

中小企業のオーナーが自分の会社を「売りたい」と考える理由のほとんどは、身内や従業員に事業承継をする後継者候補がいないというものです。
経済産業省の発表では、2015年に70歳を超える経営者は約34万人いるとされていました。さらにその10年後の2025年には全体の6割以上の経営者が70歳以上になると推定されています。中小企業経営者の引退年齢の平均は70歳ですが、2025年には約245万人の経営者が70歳を超える計算になります。

中小企業のうち127万社が後継者不在

また同省は、現時点で中小企業の127万社が後継者不在の問題を抱えていると発表しています。このような状況の中、後継者が見つからずに廃業へと追い込まれる中小企業は後を絶たず、廃業を余儀なくされる会社の約5割は経営黒字という異常な数字まででています。

実際、中小企業の休・廃業は2007年の21,000件から2016年の約29,583件へと大幅に増加しています。しかし、これらの休・廃業のうち、倒産によるものは年々減少しており、逆に、人口減による休・廃業が増加しているのです。

日本の伝統的な技術やオンリーワンといわれる優秀なノウハウをもつ企業が、後継者不在問題を抱えていることは少なくありません。このような貴重な技術・ノウハウをもつ企業が黒字廃業することは、日本のモノ創りの基盤に打撃を与えることになります。

経産省の試算では、このような黒字廃業を放置することで、2025年までに累計650万人の雇用と、約22兆円のGDP(国内総生産)を失ってしまうというデータが出ています。

現在、この問題に対策を講じるべく、日本政府では、中小企業がM&Aをする際の税負担を軽くする措置などをとり、前向きな事業承継を後押ししています。このように、現在少しずつ小規模M&A市場の整備が進んでおり、後継者不在問題に悩む中小企業の廃業危機と産業の衰退を、防ぐための動きが活発化しています。

中小企業のM&Aでよく用いられる手法

M&Aには多くの手法が存在しますが、その中でも中小企業のM&Aにおいて、最も一般的に用いられている手法は「株式譲渡」です。
「株式譲渡」とは、株主が保有する株を買い手企業に売却することで企業の経営権を移転させる方法です。手続きが煩雑な合併とは異なり株式の売買だけで済むため、中小企業のM&Aにおいては、最も頻繁に利用されています。
「株式譲渡」による買収の場合、買い手企業の子会社になるものの、株主が変わるだけで、会社が存続できるという安心感があります。そしてなにより、会社の知的財産や、大切な従業員を残留させることが可能だという点が一番のメリットだといえます。

M&Aで失敗したくない方に、よくある課題や問
題を解決する策や得する方法を具体的に会社売
却にともなう不安を解消します。