M&A会社の選び方

たとえ優れた経営者であっても一生で何度も会社を売る経験をされた方は少ないと思います。M&Aは会社そのものが売る対象になるため金額が大きい取引になり、取引後の会社運営や従業員の処遇など、経営者の方々にとって気になる点がたくさんあります。

そんなM&Aを円滑にしてくれる心強いパートナーが、多くの実績を持つM&A会社です。M&Aを円滑に進めるために力となってくれるM&A会社ですが、「M&A失敗の原因の7割がマッチングの相違による」と言われていることをご存知でしょうか。

M&A会社は知名度よりも御社との相性で選びましょう。こちらでは会社選びの5ポイントを紹介します。

M&A会社を選ぶ5つのポイント

M&A会社を選ぶためには下記の5つのポイントをチェックしましょう。M&A会社はそれぞれの得意分野や分類されるタイプ、料金体系などが千差万別です。
あなたが求めるM&A会社はどんなタイプでしょうか?

1取扱案件の規模は自社と釣り合っているか

取扱案件の規模が自社とつり合っていることは、非常に大切です。容易に想像がつくことですが大企業と中小企業ではM&Aの進め方や注意すべきポイントが大きく異なります。例えば大企業はM&A担当者がクライアントとなるため取引のスピードと確実性を好みますが中小企業の場合はオーナー社長がクライアントとなるため会社の価値向上をはじめとするM&Aの質を重視する傾向があります。
もちろん、経営状態や経営者の事情に応じて様々なニーズが出てくることも考えられますからやはり会社の規模に合わせた対策が必要です。

M&A会社は大きく分けて大企業を中心的に扱うところと中小企業を中心的に扱う企業があります。ここで間違えると思うようなサポートを受けられないので注意しましょう。

2担当者との相性はどうか

M&A会社はあなたの企業売却を成功させるためのアドバイザーです。そして、売り手企業と買い手企業を繋ぐための交渉人でもあります。質の高いM&Aを実現させるためには担当者が売り手企業、買い手企業のニーズをしっかり聞けることが不可欠です。もし、売り手企業に合わせた戦略を立てられない担当者が受け持ってしまうと取引額が安くなるばかりかM&A後に様々な問題が起きてしまいます。

M&Aが終わった後はどのように運営されて欲しいのか、自分たちは何を優先しているのか、どんなことが不安なのか、それに合わせて行動してくれる担当者と手を組みましょう。M&A会社は大きく分けて大企業案件に強い金融系、企業価値を高めたい中小企業案件に強い事業コンサルタント系、豊富なネットワークとセールス力で会社を早く売却できる仲介系の3タイプに分類されます。

3経験と実績は十分か

M&Aという大きな取引をサポートしてもらうのですから経験と実績は気になるところです。経験が長いということはそれだけの信頼を得てきたことを意味しますし、実績の多さは臨機応変な対応力につながります。

また、経験と実績は業界への強さを知る手掛かりになります。会社を高く売り、買い手企業のニーズにマッチさせるためにはそれぞれの業界について深く知り、どのような価値向上やシナジー効果が期待できるのかを明確にしなければいけません。また、業界に精通しているM&A会社は売り手、買い手企業のネットワークが充実しやすいです。

M&Aは秘匿性の高いものですから、会社全体でノウハウが共有される場面は少なく担当者個人の実力によるところも大きいです。この点においても経験と実績の評価を厳しく行いましょう。

4料金体系は納得できるものか

M&Aをするにあたって気になるのは料金でしょう。大きな売却益が上がったとしてもそこから高額の手数料を取られてしまっては損をした気分になります。相場よりはるかに高い金額を突きつけることは論外ですが、どこに、どれだけお金がかかるのか会社ごとに比較しておきたいところです。

わかりやすい例で言えばこのようなところに料金体系の差が出ます。

  • 着手金ありか成功報酬制か
  • ワンストップの料金かPMIは別料金か
  • 仲介手数料がかかるか
  • デューデリジェンスに費用がかかるか
  • その他、どのようなオプション料金があるのか

M&A会社によって料金体系は様々となり、それぞれの要素における金額は異なります。そのため同じ案件でも「質を下げずに安いM&A会社を選ぶ」ことができます。受注にあたって取引額の下限を設けているM&A会社もあります。

5サービス範囲は要望を満たしてくれているか

サービス範囲もM&A会社によって大きく異なります。とりあえず売却だけしてくれれば良いのか、企業価値の向上や企業を売れる状態にするための戦略を一緒に立てて欲しいのか、M&A後の手続きまで面倒を見て欲しいのか、など必要なサービスを受けるためにはそれらを得意としているM&A会社であることが条件です。

例えば金融系のM&A会社は経営がしっかりしている大企業が中心のためほとんどマッチングと交渉だけです。仲介系のM&A会社もM&Aの成約に関わるサービスが中心となるでしょう。その中でサービスが手厚いのが事業コンサル系のM&A会社です。

このタイプは経営コンサルタントとしてM&Aをサポートしてくれるので売り手企業の足りないポイントをカバーしてくれます。じっくりM&Aを進めるのでスピードを求める場合は他の2タイプを選ぶと良いでしょう。

サービス範囲・取扱規模からM&A会社を比較

M&A会社には3つのタイプがありますが、それぞれ取り扱う「案件の規模」が異なります。つまり、案件の大きさで顧客を選ぶM&A会社もあるということです。
また、タイプごとにサービス内容が異なることを理解することも重要。M&A会社の「サービス範囲」の違いにより、顧客が得られるメリットにも違いが生じるからです。期待通りの結果を得るためにも、最初にこの部分を見極めて会社を選択しましょう。

一貫してのトータルサポートで安心するなら事業コンサルティング系
案件数やマッチングスピードは金融系・仲介系が得意

金融系
M&A会社
事業コンサル
ティング系会社
仲介系
M&A会社
取扱規模

大規模

主要な対象企業は上場企業となっており、大手企業が対象

中規模~大規模

月次でコンサルフィーが発生するため、小さい会社は適していない

小・中規模

マッチングの効率アップのため、中小企業に絞ってサポートを行う

サービス
範囲
戦略立案

×

戦略が必要な手間のかかる中小企業は対応しないケースが多い

顧客の立場でじっくりと時間をかけてサポートするのが強み

×

セールスマン色が強く、成約までの速さに重点を置いている

リスト
アップ

全国に支店を持つ銀行、証券会社には自然と案件が寄せられる

コンサル重視のため金融・仲介に劣るものの、情報量としては十分

マッチング力を高める鍵となる情報を、とにかく多く集めている

マッチング

情報量に比例して、机上の条件によるマッチング力は高い

数では金融・仲介に及ばないが、比較検討する上では十分である

情報量に比例して、机上の条件によるマッチング力は高い

デューデリ
ジェンス

積み重ねた実績をもとに、事業価値を正確に見極めることができる

コンサル力を活かし、顧客の価値を見出す力、提案力がある

速く成立させるためには、買収監査に時間を割けないケースもある

クロー
ジング

上場企業など信頼性の高い案件を扱うため、比較的スムーズ

コンサルサポートが強みなため、成約までじっくりと時間をかける

マッチング力を活かし、素早い成約を実現することが可能

PMI

×

ファイナンスの相談は可能だが、PMIはサービス対象外である

強みであるコンサル力を活かし、M&A後の経営統合も重視

×

素早い対応を重視しており、PMIはサービス対象外である

タイプで選ぶ!どの会社に依頼するのが最適か?

多くの候補会社をリストアップ
してくれるM&A会社は?

「売却先は多数の会社から選びたい」
という企業の願いには、金融系が応えてくれます。

多数の案件リストアップに必要なのは、豊富なネットワーク力。
全国に支店を持つメガバンク・大手証券ならそれが可能です。
また、数100億円の案件など大規模な実績を有しており、海外に販路を持つのも魅力。
ただリストアップの点では申し分ないのですが、残念なことに小さい会社はサポート対応外。
主要な対象企業は上場企業などの大企業のため、規模の小さい会社の場合、仲介系のM&A会社に外注されてしまうでしょう。

高く売却できるM&A会社は?

「大切な会社だから高く売却したい」
という希望を叶えるのは、金融系とコンサル系。

知名度、ブランド力ともに申し分のない金融系の場合、ネットワークが豊富。そのため、数多くの案件をリストアップすることができます。
また、多数の実績をもとにしたデータと知識も豊富。
買い手に納得感を与えるシナリオ作成力にも期待できます。
さらに、コンサル系の場合は、顧客の価値を高める提案が可能。
2~3年間顧客のコンサルをし、業績アップ後に高値での売却を狙います。

売り手目線でトータルな
アドバイスをしてくれるのは?

「M&Aが十分理解できていない」「アドバイス
してほしい」という方におすすめなのはコンサル系。

経営者にとって最良の方法を提案するのがコンサル系。
たとえば、次のような事業承継の選択肢を、幅広く提案してくれます。

  1. オーナーとして株だけ所有し、経営については経営者に任せたい。
  2. オーナーとして経営もする。
  3. オーナー社長を会長に、番頭を社長にして10~20年経営を任せる。
    その後、会長の息子が社長になる。

「速く売りたい」という方には不向きですが、時間より内容に時間をかけたい人にはぴったり。期限にしばられず、じっくりと丁寧なサポートを受けることができます。

とにかく速く売却できる
M&A会社は?

「高齢で継続が不可能」「業績が悪い」などの
理由で速く売却するなら仲介系がおすすめ。

セールスマン色が強い営業会社であるため、とにかく成約への熱意が随一。
担当者は、「速く高く成約させる」ことに注力しています。
そのため、M&Aありき・成約ありきといった行動になりがち。スピードを求めるためには、どうしてもじっくりと時間をかけられないケースも…。
売り手目線のアドバイスを期待するのではなく、スピードを求めるなら仲介系が一番です。

系列別M&A専門会社一覧

金融系M&A会社

野村証券

M&A業務国内実績No.1。
中堅から上場企業まで実績が豊富なので、さまざまな案件・事例からヒントを得て可能性を広げたい方にぴったり。知名度という点では安心できる企業。

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SMBC日興証券

顧客のライフステージを踏まえたM&A戦略で立案・分析を実施。営業譲渡、合併、資本提携、合弁会社設立などの実績も十分なため、多くの実績をもとにした提案が期待できる。

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みずほ銀行

野村、SMBCと同様に多数の実績を持つ金融系M&A会社。これまで、多様なプロセスでの経験と知識を活かした買収・売却に関する専門的なアドバイスを受けることができる。

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専門M&A仲介会社

日本M&Aセンター

中堅・中小企業の友好的M&A支援を特徴とする専門M&A仲介会社。全国5拠点・専門コンサル220名超体制でほぼ全ての業種をサポートし、素早い事業売却をフルサポートする。

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M&Aキャピタルパートナーズ

中堅企業、中小企業を中心にM&A仲介サービスを行う会社。銀行、証券会社、税理士事務所など、協業先が豊富なのも特徴。適切かつスピーディーな売却先企業探しが期待できる。

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ストライク

2017年6月、東京証券取引所一部に上場。幅広い業種で多数の成約実績を持つ。ネット上で譲渡や買収の相手先企業を探索する「M&A市場SMARTTM」サービスを開始した。

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事業コンサル系M&A会社

みそうパートナーズ

事業承継、経営危機からの離脱、売却益習得のために徹底分析し、売り手の立場から最適なM&A売却戦略を提案。顧客の不安を全て解消するきめ細かいサポート力が期待できる。

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山田 ビジネスコンサルティング

会計・税務・法律の専門家が支援するコンサルティング系M&A会社。M&Aが実行できない原因となる困難な問題を、専門家がワンストップで解消することを強みとしている。

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フロンティアマネジメント

M&A戦略策定から実行、PMI(その後の統合)までサポート。世界各国のM&Aファーム約30社とのネットワークを構築し、クロスボーダー案件の紹介、実行支援を提供している。

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まとめ

M&A会社選びで失敗したくない、自分とマッチするM&A会社のタイプまでわかったけど「具体的にこの会社」というのを知りたいという経営者のために当サイトではM&Aマッチング診断をご用意いたしました。

たった5つの質問に◯️×で答えるだけで、あなたの課題を解決してくれるM&A会社のタイプがわかり、それぞれの主要企業について詳細情報をご覧頂けます。