新型コロナで経営不振で倒産…そうなる前に自社できる対応策!

2020年春、新型コロナウイルス感染拡大により緊急事態宣言が発令。自粛要請にともない、在宅勤務や店舗の休業が余儀なくされ、私たちの生活は大きく変わりました。

経済にも大きな打撃を与えたのは言うまでもありません。長引く自粛ムードのなか、中企業は赤字で苦しみ、倒産する会社も増えてきています。

リーンマンショックを上回る戦後最大とも言われる経済危機にどう立ち向かうべきか?経営者として今できることは何なのか?解説します。


新型コロナの影響で倒産件数増加!!

東京商工リサーチの『全国企業倒産速報』によると、2020年4月の国内における倒産件数は743件。前年同月比15%増で、2桁台の増加は5ヶ月連続。リーマンショック時が4ヶ月連続であったことから、いかに今回の不景気が凄惨たるものかが伺い知れます。

また、失業者の増加も深刻です。2020年4月に倒産した企業で雇用されていた従業員は6,000人を超えるとされています。

経営者にとってこの状況は他人事ではありません。企業の倒産が増える、失業者が増えるということは回りまわって自社の経営に影響を及ぼします。

今はなんとか持ちこたえていても、顧客が減少して売上が下がり、いずれ赤字に転落する可能性もあるのです。コロナ倒産を防ぐためには、今から自社の経営状況を見直すことが大切です。

経営難で最初に見るべきは自社の固定費

人の動きが制限され、経済活動が停滞しているときに売上を上げて赤字を回避するのは至難の業です。であるならば、経費を削減するしか方法はありません。会社の維持費にいくら必要かを調べ直して、どれくらい費用がかかっているのか?正しく把握しましょう。

やはり見直すべきは固定費です。人件費や地代家賃、水道光熱費、接待交際費、リース料、広告宣伝費、減価償却費といったものが挙げられ、毎月必ず支払う必要があります。ただ、人件費や地代家賃は削減することが難しいでしょう。

たとえば、無駄な接待やお中元、お歳暮といった習慣を辞めることで接待交際費を削減することができます。社員を出社させるのではなくリモートワークに切り替えることで水道光熱費を減らすことができるでしょう。

固定費の削減にも限界が…

ただし、固定費の削減には限界があります。人件費削減のために無闇矢鱈に減給したりリストラしたりすることはできません。今から家賃が低い物件に会社や店舗を移転するのも現実的とは言い難いです。

すでに赤字が大きく膨らんでいるのであれば、固定費を削減したとしても焼け石に水です。そこで、融資や助成金を受けて倒産を防ぐという方法もあります。

自社で借りられる融資、助成金を調べる

2020年5月18日現在、コロナウイルスに伴い経営が苦しくなっている中企業を対象にした融資や助成金制度として以下のようなものがあります。

名 称 新型コロナウイルス感染症特別貸付
対象者 新型コロナウイルス感染症の影響を受け、次のいずれにも当てはまる中小企業
・最近1ヵ月の売上高が前年または前々年同期に比し5%以上減少していることまたはこれと同様の状況にあること(注1)
・中長期的にみて、業況が回復し、かつ、発展することが見込まれること
金額上限 直接貸付 3億円(別枠)
備 考 利率(年)
基準利率
ただし、1億円を限度として融資後3年目までは基準利率-0.9%(注2)、4年目以降は基準利率

「実質無利子化」については公式サイトへ
出典・参考 https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/covid_19_t.html
名 称 雇用調整助成金
対象者 ・中小企業であり、解雇等を行わずに雇用を維持している
・新型インフルエンザ等対策特別措置法にもとづき都道府県対策本部長が行う要請により、休業または営業時間の短縮を求められた対象施設を運営する事業主であって、これに協力して休業等を行なっていること
・以下のいずれかに該当する手当を支払っていること
①労働者の休業に対して100%の休業手当を支払っていること
②上限額(8,330円)以上の休業手当を支払っていること(支払い率60%以上である場合に限る
金額上限 1人1日あたり8,330円
備 考 4月8日以降の休業等からさかのぼって、緊急対応期間(4/1~6/30)中に限り適用
出典・参考 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html
名 称 持続化給付金
対象者 ・新型コロナウイルス感染症の影響によりひと月の売上が前年同月比50%以上減少している事業者。
・2019年以前から事業による事業収入(売上)を得ており、今後も事業を継続する意思がある事業者。
・法人の場合は、
①資本金の額または出資の総額が10億円未満または
②上記の定めがない場合、常時使用する従業員数が2,000人以下である事業者
金額上限 中小法人は200万円、個人事業者等は100万円
備 考 売上減少分の計算方法=前年の総売上(事業収入)-(前年同月比▲50%月の売上×12ヶ月)
出典・参考 https://www.meti.go.jp/covid-19/jizokuka-kyufukin.html
名 称 セーフティネット保証4号
対象者 ・指定地域において1年間以上継続して事業を行っていること。
・災害の発生に起因して、当該災害の影響を受けた後、原則として最近1か月の売上高等が前年同月に比して20%以上減少しており、かつ、その後2か月を含む3か月間の売上高等が前年同期に比して20%以上減少することが見込まれること。
(売上高等の減少について、市区町村長の認定が必要)
金額上限 一般保証限度額2億8,000万円以内+別枠補償限度額2億8,000万円以内
備 考 自然災害等の突発的事由によって経営の安定に支障が生じている中小企業者の資金供給の円滑化を図るため、信用保証協会が通常の保証限度額とは別枠で借入債務の100%を保証する制度。後述する保証5号と併用可。
出典・参考 https://www.meti.go.jp/press/2019/02/20200228001/20200228001-1.pdf
名 称 セーフティネット保証5号
対象者 ・指定業種(飲食、宿泊、広告、印刷・同関連業、総合工事業など)に属する事業を行っており、最近3か月間の売上高等が前年同期比で5%以上減少。
※時限的な運用緩和として、2月以降直近3ヶ月の売上高が算出可能となるまでは、直近の売上高等の減少と売上高見込みを含む3ヶ月間の売上高等の減少でも可。
例)2月の売上高実績+3月、4月の売上高見込み
②指定業種に属する事業を行っており、製品等原価のうち20%以上を占める原油等の仕入価格が20%以上上昇しているにもかかわらず、製品等価格に転嫁できていていない中小企業者。
(売上高等の減少について、市区町村長の認定が必要)
金額上限 一般保証限度額2億8,000万円以内+別枠補償限度額2億8,000万円以内
自然災害等の突発的事由によって経営の安定に支障が生じている中小企業者の資金供給の円滑化を図るため、信用保証協会が通常の保証限度額とは別枠で借入債務の80%を保証する制度。前述の4号と併用可。
出典・参考 https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/2020/200501_5gou.html
名 称 危機対応融資
概 要 民間金融機関による資金供給が十分になされない事態に際して、中小企業等に対する必要な資金の貸付等を指定金融機関が行う。
対象者 ・最近1か月の売上高が前年又は前々年の同期と比較して5%以上減少した方
・業歴3か月以上1年1か月未満の場合等は、最近1か月の売上高が、次のいずれかと比較して5%以上減少している方
金額上限 日本政策金融公庫(6,000万円)
商工組合中央金庫(3億円)
対応機関 日本政策金融公庫
日本政策投資銀行
商工組合中央金庫
出典・参考 https://www.mof.go.jp/financial_system/fiscal_finance/kiki/index.html

知っておいて損はない手形とリスケジュール

融資や助成金だけでなく、手形やリスケジュールを使うことで、倒産を免れることも可能です。

手形の不渡り

金融庁、日本銀行は国内の金融機関に向けて、新型コロナウイルス感染症の影響によって支払期日が経過した手形は話し合いの上、取り引きができるようにすること、そして支払いができない手形・小切手について不渡り報告への掲載や取引停止処分に関する配慮をするよう呼びかけています。

新型コロナ特例リスケジュール

融資の返済条件の変更を金融機関に依頼する「リスケジュール」も倒産を防ぐのに有効な手段です。毎月の返済額を軽減してもらったり、一定期間猶予してもらったりすることで、倒産を免れられる可能性が高くなります。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

最後の手段にM&Aのプロに相談してみましょう!

以上でご紹介した手段をとっても解決できない場合はM&Aのプロに相談してみましょう。事業や会社を売却することで、事業再生のための資金を得ることができます。赤字であってもM&Aを利用することは可能です。

会社や社員を守るためにも、一人で抱え込まずに相談してみませんか?

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