経営者が抱える事業承継の悩み。事業承継がうまくいかない4つの失敗例

「中小企業の7割は事業承継に失敗している」…今まで自分が切り盛りしてきたがどうやってそれを引き継いだら良いかわからない、ふさわしい後継者が見つからないという悩みを持つ経営者は少なくありません。それなら生涯現役でと考える方もいらっしゃいますが中小企業経営者の半分以上が健康や年齢の問題で事業を継続できなくなっている現実があります。

こちらでは、経営者が抱える事業承継の悩みや失敗する原因をご紹介します。事業承継でお悩みの方は対策を立てるためにもぜひご覧ください。

事業承継4つの悩み・失敗例

事業承継とは後継者となるべき人間に会社の株式や経営者としての地位を引き継ぐことですが経営はできても事業承継の経験がある社長は少ないです。また、事業承継を考えている時点で年齢や健康が気になる状態であることが予想されますが後継者選びも思うより時間がかかります。

事業承継について悩まれている経営者はこのようなことに対応できず事業承継に失敗、最悪の場合は廃業してしまいます。廃業すると取引先や社員に影響が出るのでできる限り円滑な事業承継に努めましょう。

いつから事業承継の準備をすれば良いかわからない

事業承継はそもそもいつから準備すれば良いのか?事業承継の手続きそのものにはどのくらいの時間がかかるのか?ここを把握しておかないと事業承継ができないです。もし、事業承継が終わる前に健康を害してしまえば大きなデメリットを被るでしょう。

事業承継にかかる時間は意外と長く5〜10年を要することが多いです。小さな会社ならすぐに終わるだろうと思いがちですが、信頼できる後継者に抜かりなく引き継ぐことを考えればやはり数年かかって当たり前です。
事業承継は方向性を決めてから経営課題の洗い出し、事業承継するための土台作り、後継者育成、会社の譲渡という流れになりますが、「自分はまだ大丈夫」と思っている経営者ほど事業承継の計画を立てず、なし崩し的に能力のない後継者を指名してしまいます。

いくら親族や役員に引き継いだとしても後継者育成ができていないなら同じように会社が機能するはずもありません。敏腕社長、ワンマン経営者ほど気をつけてください。

後継者の選び方がわからない

事業承継について考えてはいるが後継者が決まらないと悩まれる経営者が多くいます。昔はとりあえず親族や役員という考えでしたが、時代は変わりました。今は息子や娘に継がせる経営者の割合は減り第三者に事業承継する割合が増えています。第三者への事業承継とはいわゆるM&Aです。
むしろ血の繋がった人間に経営者の辛さを味わわせたくないという経営者や、そもそも息子や娘というだけで経営を任せられるのか疑問だという経営者も少なくありません。

後継者を選ぶときはかつての常識や慣習は一旦忘れて本当に会社を成長させてくれる人を選びましょう。後継者を選びではこのようなポイントを意識してください。

愛社精神

いつの時代でも会社を愛する心は大切です。会社のことを、そこで働く人々を愛する経営者なら会社をよくするために頑張ってくれます。逆に会社への思いや経営者としての覚悟に欠けているなら会社の将来よりも自らの私利私欲を優先し、会社の未来をあらぬ方向へ導いてしまうでしょう。

例えば社長に兄弟が3人いて、それぞれに株式を平等に渡して一緒に経営してもらうようにしたとします。このとき、兄弟間の中が悪かったりそれぞれが抜け駆けしようとしたらお互いに経営を邪魔して会社は壊れてしまうでしょう。共同経営の場合でも株式は誰かに集中させる、どうしても兄弟の仲が悪いなら会社分割をするなど方法が考えられます。

第三者に事業承継する場合も会社に対する思いがなければ適当に経営して、うまくいかなければそのまま倒産させてしまうでしょう。そうなってしまえば社員は路頭に迷ってしまいます。

ビジョンへの共感

後継者、とくに第三者から後継者を探すならビジョンへの共感が大切なポイントになります。経営者の意思をしっかり引き継いで会社を盛りたててくれる人ならば安心して会社を任せられるし、会社の本質を損ねるような判断をしないはずです。
ビジョンとはその会社が存在する理由でありその会社と取引する理由です。ビジョンは細部まで理解してもらいましょう。何より経営者の思いを汲んでくれる後継者なら社長が喜んで事業承継したいと思えます。

経営能力

会社の経営を譲る以上、その人の経営能力は無視できません。系能力のない親族や役員に事業承継するくらいならしっかりとした経営基盤のある第三者に譲った方がよほど効果的です。

もし、会社経営に慣れていない人に事業承継する場合はその前に後継者の育成をしっかり済ませておきましょう。経営に必要な書類の見方や経営判断の仕方、社員とのコミュニケーションやマネジメント能力、経営理念への理解、リスク管理能力など学ばせるべきことはたくさんあります。

とくに社長が大きな権力を持っている場合は後継者の影響力が足りなくて事業承継がうまくいかないこともあります。後継者は能力だけでなく意思決定における立場の強さも前経営者と同じだけを目指してください。

事業承継のやり方がわからない

事業承継といっても、具体的なやり方を知っている人は多くありません。そもそも事業承継はそう何度も経験するものでないから当たり前の話です。後継者を選べないことも十分な余裕を持って事業承継の準備ができないことも、全てはやり方が知らないことに原因があります。

しかも事業承継は社長の人生の中でも相当大きな決断です。そうやすやすと相談できませんよね。家族や従業員に相談した結果、不信を招いたり一悶着起きたりすることも懸念されるでしょう。

そこで、事業承継の手はずをこっそり聞きたいならM&Aアドバイザリーがおすすめです。M&AアドバイザリーとはM&Aを専門に取り持つ会社のことで、事業承継について深く実践的なノウハウを持っています。特に第三者への事業承継を考えている人はM&Aの方法やマッチング先の探し方などを相談しておきたいです。

事業承継とはただ後継者を指名すれば良いだけではありません。後継者に引き継ぐための手続きやその後の処理も複雑です。しかも事業承継までに会社のガバナンス不備を解決しておかなければ後継者が苦労します。

税金対策をおろそかにしてしまう

事業承継で意外と注意がおろそかになるポイントは税金です。事業承継をする場合は株式を引き継ぐので後継者はそれに応じた税金を支払わなくてはいけません。とくに税率が高くなりやすいのは相続税です。相続税は相続された財産に応じて税額が決定するので株式や土地などお金に換えづらいものをたくさん相続するとキャッシュが足りなくなって苦労します。

小規模の事業であれば相続税の支払いができずに資金繰りが悪化して、廃業してしまうことさえあります。なぜ、相続税が問題になるのかといえば経営者が事業承継を終わらせる前に亡くなってしまうからです。

繰り返しますが、中小企業の経営者はその半数以上が健康や年齢を問題に廃業しています。そしていまだ多くの経営者が事業承継の準備をしていません。もちろん、事業承継を無事に終わらせた場合も株式を受け継ぐためそれに伴って所得税が生じます。

税金対策は事前にしておきましょう。相続税対策であれば資産を圧縮することが必要ですし、ある程度のキャッシュを用意しておくことも良い税金対策になります。
ちなみに、経営者がM&Aなどで利益を得たときはそこから税金を納めるだけですから問題にならないでしょう。

事業承継の悩みは、早めに対策が必須

事業承継は7割もの経営者が失敗するにも関わらずその悩みを誰にも相談できていません。ここまでご覧になった通り事業承継が失敗する理由は始める時期、ノウハウの欠如、後継者選びの失敗、税金対策の不備が主となっています。準備不足・認識不足での失敗を防ぐために早めから事業承継に着手しましょう。

自分だけで事業承継が難しいという場合は専門のM&A会社に相談してください。M&A会社は経営権の移譲に対する実績が多く監査能力も高いため会社の課題をくまなく探してくれます。人生の決断を「知ってるつもり」で決めることのリスクに気づいてください。

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