中小零細企業の事業承継の現実と課題。これからの事業承継のあり方とは

中小企業の経営者が悩むことといえば自身の引退。ちゃんと後継者を見つけることができるのか、事業をたたんで良いのだろうか…

残念ながら多くの経営者が準備不足の状態で廃業してしまいます。
特に零細企業の場合は事業承継が中堅企業に比べて大きな課題となるようです。
以下では、零細企業における事業承継の現実と実態をはじめ、 零細企業が抱える課題や問題についてもご紹介します。

零細企業の事業承継の現実と実態

零細企業とは中小企業の中でも規模の小さな会社のことを言いますが、決して零細企業=価値が低いというわけではありません。むしろ零細企業は優れた技術や経営力、社長の実力があるからこそ存在できています。

ところが、零細企業は経営者の健康や年齢の問題での廃業リスクが高いです。

4社に1社が廃業リスク

企業の興亡は珍しい話と言えませんが、なんと2020年までに103万社もの企業が廃業するだろうという説があります。これは全企業の4分の1という驚異的な数字でいかに会社を存続させることが難しいのかが伺えます。

零細企業が廃業する理由は経営不振だけではありません、むしろ社長の健康問題や高齢化で惜しまれつつも廃業する企業の多さが問題視されています。中小企業は大企業に比べて社長の影響力が強く、社長の引退=廃業となりやすいのです。

「後継者不足なら事業承継」…
その実態は

経営者が引退する前にできることは事業承継です。しかるべき後継者に経営を引き継ぐことができれば会社を存続させられるし従業員の雇用を守ることだってできます。

しかし、優良企業であっても零細企業の事業承継は難しいのが現状です。息子や娘が社長になったとしてもうまくいくとは限りません。零細企業にはどのような課題があるのでしょうか?

零細企業が抱える課題

事業承継をする上でのポイントは経営課題を後継者が理解し、社長からスムーズにバトンタッチできることにあります。
ということは会社のガバナンスがしっかりしていない、社長のスキルがあまりに属人的である場合は後継者が会社を引っ張れません。

零細企業は、社長が担っている
責任が大きい

中小企業は社長が会社の顔となっている場合が多く、とくに売上3円未満で構成員が20名に満たないような零細企業であれば企業ブランド=社長と言っても過言ではありません。社長が会社を作り、社長が人脈や資産を築き上げ、社長が会社をくまなく管理している。

そのような会社では創業者=社長が大きな権力と責任を持っているし、社員や取引先も経営者の人柄や経験値、言語化できない持ち味などに惹かれていることが多いです。

したがって、社長と同じ仕事スタイルは引き継ぐことができてもその人柄や信用、カリスマ性などまで再現することは困難です。大手企業の場合は経営者よりも会社のブランドが確立しているうえ、後継者探しがしやすいので事業承継がそこまで問題になりません。

創業〇〇代目でしっかり経営できている社長はそれだけ努力をしているわけですね。

正常利益・経費の数字が
曖昧になっていることが多い

零細企業は社長の経営力で成り立っています。確かに会社に利益をもたらすことや顧客との関係を築くことは非常にうまいのですが、会計や法律の知識に苦手があります。どうしてもバックオフィスの健全化は後回しにされがちだし会社が存続しているからと自己流で済ませてしまうことさえあります。

そのため、本来は経費で落とせないものが経費として計上されていたりそれどころか本業と全く関係ないようなお金の出入りまで見られたりします。

経費の数字が曖昧になっている場合は、最低限本業の営業利益である正常収益が分かる状態にしなくては後継者がとても困ります。

会社の強みを
わかっているかどうか

厳しい言い方をすると零細企業は「なんとなく成り立っている場合」が多いです。もちろん、経営を数年、数十年続けてきたのなら素晴らしい長所があって当然なのですが当の経営者が会社の強みを具体的に理解していないのです。

優れた才覚と豊富な経験を持つからこそこのような状態でも経営が成り立つのであって、会社の強みが良く分からない状態で事業承継しても後継者がうまく経営できるはずありません。なぜなら社長のスキルが属人的すぎて継承が難しいからです。

これからの事業承継のあり方と経営者がすべきこと

以上の理由から無理な事業承継よりも廃業を選択することは十分にあり得るし、廃業を勧めるコンサルタントやアドバイザーの立場もよくわかります。ですが、確かな価値がある優良企業が消えてしまうのは勿体無いし社会にとっての損失と言えます。

そこで検討していただきたいのが第三者へのM&A(経営権の譲渡)です。

かつては会社を第三者に売り渡すなど身売りのように思われていましたが現在は会社を存続させる英断が評価されるようになり、小規模企業のM&Aも増えてきています。M&Aも事業承継のひとつですから先にご説明した3つの課題をクリアしなくてはいけません。

逆に言えばこれらの課題を解決して初めて「売れる状態」になるわけです。

望ましいM&Aを実現するためには企業価値の明確化、買い手企業との相性、ガバナンスの健全化が大切です。零細企業の事業承継でお悩みなら経営判断や社内の問題解決までサポートしてくれるM&A会社とタッグを組みましょう。

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