M&A会社 3タイプを徹底解説

「M&A会社」のタイプは大きく3種類に分類されます。M&Aでは、自社にもっとも適しているタイプのM&A会社を選択することが大切。正しい会社選びをすることで、理想的な売却の実現につながります。
どの会社を選べばよいか見極めるポイントは、自社の「規模」「M&Aの知識の有無」「コンサルを必要とするか否か」「緊急性」など。現在の状況や求める内容により、選択すべきM&A会社のタイプは異なります。そのため、“相談”の段階からM&A業界の特色について知っておく必要があるでしょう。 ここでは、3タイプそれぞれの特徴を解説し徹底比較。ひと目でわかりやすいよう工夫し、まとめました。あなたの会社にぴったりなM&A会社選びにお役立てください。

M&A会社の3分類

「金融」「事業コンサルティング」「仲介」の3タイプに分類されるM&A会社。各タイプ、それぞれが持つ特徴は大きく異なります。

金融系
野村證券、SMBC日興証券、みずほ銀行など
知名度が高く、金融ネットワークを生かした「豊富な案件数」が魅力
コンサル系
山田ビジネスコンサルティング、みそうパートナーズ、フロンティアマネジメントなど
事業の今後を考えた「顧客目線」での提案力、サポート力が魅力
仲介系
日本M&Aセンター、M&Aキャピタルパートナーズ、ストライクなど
取扱い案件数が多く、「スピーディー」な対応力と決断力が魅力

自社を売却する際は、上記のタイプ別の特徴を踏まえてM&A会社選びを行うことが大切。
これが、理想のM&Aを実現する重要な方法なのです。

分布図

おすすめのM&A会社9選

M&A会社には仲介系、金融系、事業コンサルティング系という3つの分類があります。それぞれの分野においてお勧めできるM&A会社を一覧にしました。自分だけでは考えきれない問題を相談したい、とりあえずM&Aについて深く知りたい時に最初に相談するならこの9社から選びましょう。

専門M&A仲介会社

専門M&A仲介会社とはM&Aそのものに特化した会社のことを言います。そのため、このタイプの会社がもつ強みは成約の早さとマッチング候補の多さです。とにかく早く会社を売りたいときは迷わずこの3社に相談すると良いです。

その一方でこのタイプは企業価値を高める戦略立案やM&Aに付随する諸手続きの対応が苦手で、慎重に承継先を探したい経営者とはミスマッチします。中小企業でも比較的小規模の案件が多いのも特徴的です。

1日本M&Aセンター

M&A会社としての知名度が高く取引実績が多いのが日本M&Aセンターです。会社の規模が大きく多くの社員が在籍しています。したがって豊富な候補先企業のリストアップができカバー範囲も広いです。相談料が無料である点も魅力的ですね。

日本M&Aセンターは完全独立のM&A会社ですから譲渡企業と譲受企業どちらに対しても中立に動いてくれます。

日本M&Aセンターと相性が良い企業は後継者をすぐに見つけなければいけない企業、あるいは経営不振が深刻な企業です。いずれにせよ時間的な余裕のない場合に優れた買い手を見つけてくれます。

メリット デメリット
知名度が高い 経営サポートまでは期待できない
実績・案件数が豊富 仲介系の中ではスピードが早くない
国内に5つの拠点がある

2M&Aキャピタルパートナーズ

M&Aキャピタルパートナーズは2013年に東証マザーズ上場を果たしてから業績をどんどん伸ばしている注目のM&A会社です。中小企業を中心に多くの案件に対応していて、相談者にとっての敷居を下げるために完全成功報酬型を取っています。

M&Aキャピタルパートナーズは様々な業界、地域のM&Aに柔軟な対応を見せますが調剤薬局業界への強さは評判です。成功報酬は概ね取引の5%ですが5億円未満であっても2500万円かかる点に注意しましょう。

メリット デメリット
完全成功報酬型 5億円未満の取引だと割高になってしまう
調剤薬局業界に強い セールス色が強い
幅広い目的のM&Aに対応している

3ストライク

ストライクは仲介系M&A会社として3番目に上場を果たした企業で、日本初のオンラインM&A市場を運営するなど独自の取り組みが見られます。オンラインでのM&Aマッチングはすぐに検索できるためスピードが早く、これまでは考えられなかったような売り手偉業と買い手企業の出会いが置きます。

ストライクは経営者に対するM&Aの浸透に力を入れていて経営者向けの事業承継セミナーを随時開催しています。このセミナーでは実際に事業承継をした経営者の体験談も聞けるので同じような立場にある社長から好評を得ています。

メリット デメリット
売り上げ100億円規模の中堅企業まで対応 着手金が発生する
オンライン上で買い手企業を探すことができる 直接的なサポートは手厚くない
M&Aについて学べる仕組みが充実

金融系M&A会社

金融系M&A会社とは銀行や証券会社の系列であるM&A会社のことを言います。このタイプはグループの知名度が高く取引する企業も多いため、自然とM&Aの候補企業が多くなります。大企業との取引も豊富ですから大規模なM&Aに対応しやすい特徴があります。

このタイプの会社が力を発揮するのは大企業同士のM&Aや海外企業とのM&Aです。事業承継というよりも合併や企業買収といったより戦略的な案件を取り持っています。

したがって中小企業のM&Aにはあまり強くなく、傾いている企業の再生や企業価値を高めるようなコンサルティングにも明るくありません。

4野村證券

金融系M&A会社で最大手なのがこの野村證券です、全国に158もの支店を持つことからもその圧倒的な優位性があります。得意とするのは売り上げ20億円以上の大企業案件で、売り手の価値を提案する力に優れています。

仲介ではなく買い手への交渉という形なので売り手企業に有利な結論を導きやすいです。

メリット デメリット
規模が大きい 中小企業案件はあまり対応してくれない
提案力が高い 手数料がそれなりに高額
高く売ることにこだわってくれる

5SMBC日興証券

証券会社としてよく名前を目にすることが多い日興証券も金融系のM&A会社としてサービスを提供しています。三井住友という財閥系のグループならではのネットワーク力と信頼性を持ち、丁寧にマッチングから戦略立案、交渉までを行なってくれます。

メリット デメリット
信頼性が高い 売り上げ100億以上の案件が基本
ニーズに合わせたマッチングに優れている 手数料がかなり高額
デューデリジェンスの支援も充実

6みずほ銀行

みずほ銀行もSMBCに負けない規模を持つメガバンクで金融系M&A会社として申し分のないネットワーク力を誇ります。豊富な案件数に自信があり、新興国のクロスボーダーM&Aの展開に力を入れている点が特徴的です。大企業の中でも新興国への進出や国際展開を考えている場合に良いパートナーとなってくれます。

メリット デメリット
中小企業の案件も対応 中小企業の課題解決は得意でない
クロスボーダーM&Aに強い PMIを含めたサポートが薄い
メガバンクならではのネットワーク力

事業コンサルティング系M&A会社

事業コンサルティング系M&A会社とは、その会社の経営改善やM&Aによる効果の最大化を目指して手厚くサポートしてくれるM&A会社のことを言います。多くのM&A会社がマッチングの幅広さや成約スピードにこだわる中、このタイプのM&A会社はじっくりとベストな選択肢を探してくれます。そのため、強いこだわりを持つ経営者や企業価値を明確にできない中小企業に好まれています。

M&Aはあくまで企業や社長が抱える課題解決の手段であることを重んじ、包括的な経営アドバイスをしてくれます。場合によってはM&A以外の選択肢を提案することもあるでしょう。M&A後の手続きも安心して任せられます。

一方で腰を据えてM&Aを進めていくのでスピードの優先順位が下がります。今すぐ企業を手放すべき事情がある場合は選択肢から外れるでしょう。

7みそうパートナーズ

大手監査法人の一部門から独立したみそうパートナーズは「顧客第一主義」にこだわっています。強い信念を持つ経営者と二人三脚で歩むからこそM&Aの質を最優先しているのです。そのためみそうパートナーズは成約期限や件数についてのノルマを設定しておらず、クライアントにとってベストなタイミングと価値を実現してくれます。

みそうパートナーズはクライアントの良き相談相手として事業戦略の立案から手厚くサポートしてくれます。「大切な企業だから安易なM&Aを避けたい」という経営者にとってはベストな選択肢と言えるでしょう。

監査法人のノウハウを持っているため情報の秘匿性にも自信があります。

メリット デメリット
クライアントのニーズを最優先してくれる スピードが遅い
M&A前の戦略立案からPMIまで手厚くサポートしてくれる
企業のバックアップ体制が万全
事業再生・事業承継に強い

8山田ビジネスコンサルティング

税理士法人出身の山田ビジネスコンサルティングは中小企業の経営課題をワンストップで対応できるM&A会社として人気があります。M&Aの手続きについてのサポートはもちろん、いざという時の経営判断も支えてくれます。

税理士法人なので会社の税務に対する相談も快く受け入れてくれますし、会社の財務事情から隠れた課題が見えてくることもあります。銀行との繋がりを持っている山田ビジネスコンサルティングは大きな融資を受けるときも頼りになります。

事業コンサルタント系M&A会社の中では成約スピードを重視する傾向にあるためM&Aの質と成約までの速さを両立したい人にオススメです。

メリット デメリット
税理士法人だから財務面のサポートが手厚い スピードを重視するため経営者の思いが反映されないことも
経営コンサルタントとして頼れる
クロスボーダーM&Aに強い

9フロンティアマネジメント

フロンティアマネジメントは弁護士と証券アナリストが手を組んで設立されたM&A会社で企業再生を得意としています。事業コンサルタント系のM&A会社としては案件数が多く大規模なM&Aに対応できる点が強みです。

M&Aの軸は経営戦略で、企業価値を高めない取引や将来性飲み込めないM&Aを無理に行うことはありません。フロンティアマネジメントは業界での知名度が高いのでブランド力を生かしたマッチングも期待できます。

メリット デメリット
クロスボーダーM&Aに強い 経営戦略ありきのため、納得がいかない取引になることも
事業再生に豊富な知見を持っている 案件数が多いためサポートは手薄になりがち
業界でもトップクラスの案件数

その他M&A会社一覧

事業コンサル系M&A会社

金融系M&A会社

専門M&A仲介会社

M&A会社を選ぶポイント

M&AはM&A会社を使ってもなお70%が失敗に終わると言われています。つまり多くの経営者がM&A会社選びを間違えてしまったことを意味します。M&A会社はそれぞれが個性を持つため知名度や成約実績よりも相性が問われることを忘れないでください。

安全なM&Aの参考に紹介した9社についても選び方を間違えてしまえば残念なM&Aになりひどい時にはPMIの段階で瓦解することまであります。

ここまで紹介した一覧の中で一体どの会社を選べば良いのか迷った時はここにあるポイントを意識して下さい。

1M&A会社の得意分野を理解する

M&A会社にはそれぞれの得意分野があります。例えば大企業に強い金融系M&A会社に売り上げ1億円規模の会社が相談に行ってもまず納得のいくサポートは受けられません。赤字や債務超過が続いている状態で専門仲介系のM&A会社を選んでも買い叩かれて終わりです。緊急事態に事業コンサルタント系のM&A会社を選んでも良い対策が見つからないでしょう。

他にも会社ごとに持っている業界への明るさや業務への専門性、ネットワークの豊富さ、報酬体系など様々な要素がマッチングの成否を分けます。

あなたにあったM&A会社を選ぶためには、まずその会社を知ることです。

2自社の規模にあったM&A会社を選ぶ

自社の規模に合ったM&A会社を選びましょう。大企業と中小企業の違いだけでも選択肢になるM&A会社は大きく変わりますからM&A会社もそれに合わせたスタイルで運営されています。小規模のM&Aが得意な企業に大企業が依頼をしても対応は難しくその逆も然りです。

その会社がどのような企業に向けたサービスを提供しているのか、どんな買い手企業とのマッチングが期待できるのかを理解した上で会社選びをしてください。

3M&Aでどんな目的を達成したいかで考える

M&Aで達成したい目的も異なります。事業を大きくするための合併なのか、後継者が見つからないことによる事業承継なのか、経営がうまくいかないことを理由とした事業再生なのか…M&Aが経営課題の解決手段である以上抱えているお悩みを解決できるM&A会社と組まなくてはいけません。

とくにマイナスの経営課題を抱えている場合は会社を売る以前に片付けるべき問題がいくつもあるはずですから、M&Aアドバイザリーとコンサルタントが一体となった事業コンサルティング系M&A会社がお勧めです。

他にもM&A後の手続きに不安がある、従業員の処遇が気になる、すぐに支払える予算がないなど様々な事情も会社選びを決める要素になります。

まとめ

繰り返しますが、M&A会社を選ぶ上で最も大切なのはニーズを満たすことです。規模の大きさや知名度だけで選ぶと不本意な結果に終わるでしょう。M&Aは人生の中でも大きな選択となるため慎重になって当たり前です。

経営に余裕がなくなるとM&Aの選択肢も減るので、まだ余裕のあるうちからM&Aアドバイザリー各社をよく調べておきましょう。こちらでもそれぞれのメリットや相性をわかりやすくまとめています。

系列別M&A専門会社一覧

金融系M&A会社

野村証券

M&A業務国内実績No.1。
中堅から上場企業まで実績が豊富なので、さまざまな案件・事例からヒントを得て可能性を広げたい方にぴったり。知名度という点では安心できる企業。

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SMBC日興証券

顧客のライフステージを踏まえたM&A戦略で立案・分析を実施。営業譲渡、合併、資本提携、合弁会社設立などの実績も十分なため、多くの実績をもとにした提案が期待できる。

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みずほ銀行

野村、SMBCと同様に多数の実績を持つ金融系M&A会社。これまで、多様なプロセスでの経験と知識を活かした買収・売却に関する専門的なアドバイスを受けることができる。

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専門M&A仲介会社

日本M&Aセンター

中堅・中小企業の友好的M&A支援を特徴とする専門M&A仲介会社。全国5拠点・専門コンサル220名超体制でほぼ全ての業種をサポートし、素早い事業売却をフルサポートする。

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M&Aキャピタルパートナーズ

中堅企業、中小企業を中心にM&A仲介サービスを行う会社。銀行、証券会社、税理士事務所など、協業先が豊富なのも特徴。適切かつスピーディーな売却先企業探しが期待できる。

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ストライク

2017年6月、東京証券取引所一部に上場。幅広い業種で多数の成約実績を持つ。ネット上で譲渡や買収の相手先企業を探索する「M&A市場SMARTTM」サービスを開始した。

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事業コンサル系M&A会社

みそうパートナーズ

事業承継、経営危機からの離脱、売却益習得のために徹底分析し、売り手の立場から最適なM&A売却戦略を提案。顧客の不安を全て解消するきめ細かいサポート力が期待できる。

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山田 ビジネスコンサルティング

会計・税務・法律の専門家が支援するコンサルティング系M&A会社。M&Aが実行できない原因となる困難な問題を、専門家がワンストップで解消することを強みとしている。

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フロンティアマネジメント

M&A戦略策定から実行、PMI(その後の統合)までサポート。世界各国のM&Aファーム約30社とのネットワークを構築し、クロスボーダー案件の紹介、実行支援を提供している。

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