金融系M&A会社
メガバンク・証券会社・地方銀行などからなる金融系M&A会社
金融系に分類されるM&A会社には、大手証券会社、投資銀行などが含まれます。基本的に大手の上場企業、もしくは大型案件を対象にアドバイザリー業務を提供するのが特徴です。そのため、中小企業を対象とした案件は取り扱わないのが通例です。
大規模案件として扱われる企業ご担当者がM&Aの相談をされる場合は、この金融系M&A会社に相談するのがおすすめ。大型案件では融資が必要となることも多いため、トータル的なアドバイザーとして選んでみてはいかがでしょうか?
金融系M&A会社の特徴
特徴1M&A候補会社のリストアップに長けている
金融系M&A会社には、証券会社、銀行などが含まれます。金融系会社は信頼性が高いため、「まずは銀行に相談する」という会社が多数。そのため、証券会社や銀行のM&A担当者は、多くの案件を抱えています。その種類は多種多様。大手証券会社、メガバンク、地銀・信金など規模によっても異なりますが、基本的にはそれらの中から上場企業を中心とする案件を取り扱っています。
なお、後述しますが、金融系M&A会社は大きく外資系と日系に分類されます。その中でも外資系の場合、特に海外案件が多いです。
特徴2取り扱うほとんどの案件が大規模な案件!
金融系M&A会社が扱う案件は、上場企業など大規模な案件が中心。大型であればあるほど手数料が増大します。そのため、世間一般的に知名度、実力ともにアピール度が高い金融系M&A会社は、大きな案件ばかりを選んで扱うことが多くなります。
中には中小企業を扱うケースもありますが、案件全体の中での優先順位は当然ながら低くなります。そのため、満足のいくサポートが受けられるかどうかは担当者次第といえそうです。
特徴3外資系は海外企業とのM&Aが多数、日系は多種多様な案件を経験!
外資系の証券会社、銀行などは、海外企業とのM&A案件が多数。また、大型案件の中でもより大規模の案件を扱うことが多くなっています。超大規模案件、かつ海外企業との合併・企業買収などを検討されている場合は、外資系の金融M&A会社を選択されるとよいでしょう。
一方、日系の金融M&A会社も大型案件を扱いますが、外資系と比較すると中型案件を扱うケースもあります。この場合、多種多様な案件を複数同時に掛け持ちでサポートすることが多いようです。
金融系M&A会社が
お薦めの会社とは?
- 多種多様な案件・候補先企業から選びたい!
- とても信頼する担当者が在籍する
- 銀行・証券会社に依頼したい!
- M&Aだけでなくファイナンスの支援を受けたい!
- 資金調達について相談しながらM&Aを進めたい!
- 上場しており、売上規模100億以上である。
- 海外企業との合併を考えている。
- ある程度、M&Aに関する知識がある。
銀行へのM&Aの相談
メリットとデメリット
M&Aは取引先にとっても一大事で、銀行も例外ではありません。銀行はM&A資金の融資や助言、時には自らがM&Aの仲介をすることもあります。馴染みのある銀行なら頼れそうなイメージですが、銀行任せのM&Aには問題が潜んでいます。銀行にM&Aを相談するメリットとデメリットをよく理解しましょう。
融資・資金調達について相談できる
銀行にM&Aを相談するメリットは資金調達を助けてくれることです。銀行自体がお金を貸すことができるため、M&Aに必要な費用の工面から仲介までワンストップで支援してもらう選択肢もあります。
それに取引先の銀行は債権者である以上債務の引き継ぎ等の相談が必須です。銀行は会社の興亡に関わる仕事ですから事業承継について有益な助言を受けられるかもしれません。
M&Aを切り出すことで融資を渋られるという不安については心配無用です。銀行にとってはM&Aが成功した方が債権回収しやすくなります。
買い手サイドの利益を重視するため、売り手にとっては不向き
銀行にM&A相談をするメリットとして「紹介できる企業の多さ」が知られています。しかし、銀行のM&A仲介はそれ自体が利益相反という問題をはらんでいることをご存知ですか。
M&Aは本来売り手企業と買い手企業のニーズが合致して取引成立となるべきものです。ところが、銀行は債権者ですから売り手の満足度よりも債権回収の実現性を大切にします。ゆえに銀行はM&A価格を不当に安くしてでも信用力の高い企業とM&Aを成約させる傾向があります。
銀行は利害関係者ですからどうしても自らの利益になるM&Aを望むのです。また、買い手企業の利益を優先するのは売り手企業より規模の大きな”お得意様”だからという側面もあります。
他には、銀行は金融業を主とするためM&Aのノウハウが少ない点も気になります。基本的には幅広いネットワークに強みを持った仲介サービスを受けるものと考えましょう。売り手の利益最大化や、PMOまでの手厚いサポートを受けたいなら銀行のM&A支援は避けた方が良いです。
金融系M&A会社を徹底比較
金融系M&A会社は、更に大きく次の2タイプに分類されます。
- メガバンク/大手証券会社
- 地方銀行・信用金庫
メガバンク/大手証券会社
メガバンク
メガバンクは、いわゆる巨大な都市銀行のことで、次の4社があげられます。
- ・三菱UFJフィナンシャル・グループ
- ・みずほフィナンシャルグループ
- ・三井住友フィナンシャルグループ
- ・りそなホールディングス
ピックアップした上記企業は、情報ネットワークに優れており、M&Aに関する情報量、ノウハウは十分。しかし、M&Aで取扱う案件の規模が大きいという特徴があるため、中小企業の案件は後回しにされてしまうことも…。また、手数料が高いこともあるため、上場企業など大規模案件の相談先として向いています。なお、外資系は海外企業とのM&Aが多いといえるでしょう。
大手証券会社
大手証券会社は以下の通り。
外資系:ゴールドマン・サックス証券、 三菱UFJモルガン・スタンレー証券、 JPアセット証券、メリルリンチ、日本証券、UBS証券など
日系:野村証券、SMBC日興証券、大和証券、みずほ証券、日興証券など
メガバンク以上のノウハウと情報量、そして実績を持つのが大手証券会社。M&Aの実力は、どこよりも素晴らしいといえますが、やはり手数料の金額が高額なのが特徴です。年商数十億円という企業が中心で、年商数億円程度の中小企業は扱っていないところがほとんどです。
ちなみに、最近は中堅以下の証券会社もM&Aサービスを展開するところがあります。しかし、その実態は、十分に確立されていないことが多いといわれています。ネットワークが少なく人員の入れ替わりも激しいため、M&Aのノウハウや情報量が少ないのがその原因。今後、多数の実績を積み重ねていけるかどうかがポイントといえそうです。
地方銀行・信用金庫
地方銀行
埼玉りそな銀行、静岡銀行、京都銀行、広島銀行、福岡銀行、三重銀行など
信用金庫
横浜信用金庫、埼玉縣信用金庫、朝日信用金庫、浜松信用金庫、城南信用金庫、おかやま信用金庫、アイオー信用金庫など
地銀・信金においては、特に、経営戦略や後継者問題に悩む地方経営者からの相談が増えてきています。そのため、事業譲渡などのM&Aマッチングサービスが伸びつつあります。しかし、金融機関によっては企業価値評価などのスキルが不十分であったり、M&Aに対する力の入れ方が乏しく情報収集力に劣ったりするケースも。そのため、利用者側がきちんとその見極めを行う必要があります。その見極めに失敗すると、「話が一向に進まない」という事態に陥る危険性もあるため、注意が必要です。
その他、戦略の立案やPMI(M&A後の経営統合)部分はノータッチなことが多く、M&Aの作業部分のみが対応範囲になることが多いといえます。